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課題2
レポート

ぼうさいこくたい2024でセッションを開催しました

10月19日に熊本県の熊本城ホールで開催された「ぼうさいこくたい2024」において、セッション「気象データはどう使う?熊本県における東大先端研ClimCOREの活動から紐解く気象データの利活用と今後の課題」を開催しました。

東京大学先端科学技術研究センターの大津山堅介特任講師が司会を務め、隈健一特任研究員・シニアプログラムアドバイザー、松清あゆみ特任助教と熊本県知事公室危機管理防災課の和田大志主幹、熊本県立人吉高校五木分校の新村ちなみ教頭、およびNPO法人防災WESTの副理事長である早田蛍さんとともに、気象データの活用をいかに市民や高校生、障害のある人に広げていけるかをテーマにディスカッションを行いました。

セッションでは初めに隈特任研究員が気象データの重要性と再解析の意義を説明し、和田主幹は熊本県における気象再解析データとキキクルを用いた豪雨対応訓練の取り組みについて報告しました。5キロメッシュから1キロメッシュへの精緻化により、より詳細な災害リスク評価が可能になったこと、この技術を活用した訓練が、行政職員の防災意識向上に役立っていることを報告しました。
松清特任助教と新村教頭は、人吉高校五木分校における防災教育と地域探究の取り組みについて報告し、五木村にて高校生が行っている地域の魅力と防災について学ぶプロジェクトが紹介されました。
気象防災アドバイザーでもある早田さんは、気象予報士の知識を活かした防災教育や、地域版タイムラインの作成支援など、具体的な活動内容を報告し、情報と状況を視覚的に理解できるツールの重要性を指摘しました。

ディスカッションでは、気象データの活用には翻訳ツールの重要性や、防災を日常生活に組み込む必要性、継続的な防災教育の重要性などが議論されました。

最後に司会の大津山特任講師が「情報だけでなく状況も伝えることの重要性」「行政だけでなく地域の訓練の必要性」「リスクだけでなく恵みの理解の重要性」をまとめとして述べ、セッションを締めくくりました。

今年度のぼうさいこくたいは過去最大の規模となり、本セッションについても50名以上の方に現地で参加いただくことができました。今回の議論で深めた知見を活かしClimCOREのターゲット2「気象データの社会応用創発」を実現するため、再解析データの利活用事例の一つとして豪雨対応訓練の高度化と全国展開に向けた取り組みを引き続き推進していきます。

当日のセッションのアーカイブはYouTubeで公開しています。
https://youtu.be/9P-U0LY43vk

ぼうさいこくたい2024「気象データはどう使う?熊本県における東大先端研ClimCOREの活動から紐解く気象データの利活用と今後の課題 」
https://bosai-kokutai.jp/2024/S12/

セッションの様子